バーリング加工の基礎知識
バーリング加工とは、穴のまわりに立ち上がり加工をする工法のことです。この記事ではバーリング加工とは何かのキーポイントを開設した上で、バーリング加工のメリットとデメリット、バーリング加工の留意点、方法、用途、応用などについて説明します。
目次
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バーリング加工とは穴のまわりに立ち上がりをつくる加工
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タップ加工とは?バーリング加工との関係
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バーリング加工のメリット
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バーリング加工のデメリット、留意点
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今後バーリング加工を広めるには?
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バーリング加工での留意点
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バーリングの方法について解説
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バーリング加工の用途
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バーリング加工の応用
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まとめ
これだけは知っておくべきバーリング加工のポイント
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バーリング加工とは穴の周りの加工のこと
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バーリング加工とタップ加工の組み合わせが有効
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バーリング加工の用途、応用が沢山ある
バーリング加工とは穴のまわりに立ち上がりをつくる加工
バーリング加工とは、穴のまわりに立ち上がり加工をすることです。立ち上がりのことをフランジとも言うため、別名フランジ加工とも呼ばれます。バーリング加工は、丸形状の加工が一般的ですが、四角や楕円の穴の場合もあり、その場合もバーリング加工と言います。
材料の伸びを利用していますから、フランジの縁は薄くなり、ひどくなると割れます。また割れる直前、縁がギザギザになる現象を「花が咲いた」と呼びます。
一方、薄い板にネジをはめ込む際、板厚が薄いとはめ込みが弱くなったりするので、穴をあけた加工部分に若干の立ち上がりをつくることで厚みを形成します。これにより、ネジ穴の深さが増し、はめ込みがより強固になります。
具体的な加工方法としては、まず板材に穴をあけます。この穴を下穴と呼びます。下穴に大きなパンチを押し込み下穴の縁を広げながら立て、フランジを作ります。一般に、板金製作にバーリング加工は必要不可欠です。
1ミリなどの薄い板厚の場合、そのままではネジ山を確保できませんので、バーリング加工をして立ち上がりを作ることで、ねじ山をつくります。
また、パンチングで下穴を抜いて、その後に板厚に応じた隙間、すなわちクリアランスを取った上で、加工するのが一般的です。
また、タップのねじ山は3山以上確保する必要がありますが、板厚が薄いために確保が難しい場合は、バーリングタップを使うことが多いです。
タップ加工とは?
普通ののバーリング加工だけでは足りないということであれば更なる段階へ進みます!
それが、タップを切る、または、タップを立てるという作業です。「タップを切る」または「タップを立てる」とは、ネジをはめるためにタップという工具を主に使い、あけた穴の中に、ネジ山をつくることを言います。
タップを立てる手順
以下、タップ加工の手順を記します。
①タップハンドルにネジ穴と同じサイズのタップをとりつけておきます。
②次にタップを穴に垂直に立てます。
この時斜めだと、タップが細いものなどは折れてしまいますので、タップの太さには
考慮する必要があります。
③そしてで潤滑油をあなにかけながら、丁寧に、慎重に、右半周、左半周、と力を
入れすぎないように、右に半周、左に半周、右半周、、、と交互に繰り返していきます。
以上がタップを使用したねじ切り作業になります。
バーリング加工のメリット
バーリング加工のメリットを以下に箇条書きで記したいと思います。
・一般的な溶接では、付け根に角が生まれ、そこに汚れが溜まりやすくなります。
洗浄する際には角の汚れは落としづらいため、ブラシなどを使う手間が生まれてしまいます。バーリング加工を施せば、付け根にRが生まれるため汚れが溜まりにくく、洗浄時も簡単に汚れを拭き落すことができます。
・板厚の薄いステンレス容器にははめ込みがきちんと行えるという観点から、バーリング加工が最適です。
・溶接時、母材がひずみまないのが利点です。
・突合せ溶接により、完全溶け込みができます。またねじ穴が強固になります。
・溶接ヶ所やビード長さを1/3以下に削減することが可能です。
・品質管理が容易です。
・作業工数が削減できます。
・分岐部分があらゆる流体物にとって抵抗の少ない理想の形状となり、圧力面、流速面での性能をUPに貢献します。
バーリング加工のデメリット、留意点
安価なコストでねじの締結力を上げることができるバーリング加工ですが、ねじの付け外しが多い場所や、アルミなどのやわらかい材質の場合は、強度不足による締結不良のリスクを考慮して、内側に雌ネジをきってあるカシメナットなどを使用した方が良い場合もあります。
今後バーリング加工を広めるには?
リング加工をする事によって、分岐の部分を滑らかにして継ぎ目を継ぎ目から離す事ができるようになったため強度の高い製品を作る事ができるようになりました。
また、建築ショーにおいて展示されている物は、一つの配管にいくつもの分岐を作る事ができるので、より複雑な設計の製品にも対応する事ができるのも、バーリング加工の特徴だと言えるのではないでしょうか。
バーリング加工によって、突合せ溶接にすることで溶接不良を防ぎ、熱応力や振動、曲げなどの外力に対する強度が高くなります。
バーリングの方法
1 ふつうバーリング
普通バーリング加工は、材料の板厚と同じ寸法でクリアランスを取り、加工するバーリングです。
製品図に表されるバーリング寸法は、穴径(通常はパンチ径に相当する径)と高さが示されています。
この寸法を元にして【図1】に示すような形に置き換えて、下穴の寸法を求めます。
式はバーリング中心直径(dm)の面積から下穴径(d)を求めるものです。
2 しごきバーリング
しごきバーリングは板厚より小さいクリアランスを用いて加工します。
普通バーリングではフランジ部の厚さが先端に行くほど薄くなりますが、クリアランスを小さくすることで材料は圧縮され、
均一な厚さのフランジが作られます。クリアランスは、材料板厚の70〜60%位とすることが多いです。
バーリング加工の用途
ネジ山を多くしたいなど、ピン・パイプをはめ込みたいなどの場合
用途は、ビル建築配管からサニタリー配管、大型真空容器、エネルギー供給パイプライン
構造物ポールに渡り、幅広い需要が見込まれます。
バーリング加工の応用
バーリング加工を応用した永久結合
バーリング加工と穴の縁を円離に大きく面取り加工する皿モミ加工を合わせた技です。最後のを線材の一部に金型を押し当て、線材を塑性変形させ、窪み、或いは突起を成形する加工であるつぶし加工まで、通称タレパンと呼ばれるタレットパンチプレス加工で行うことができます。
バーリング加工を用いたパイプ結合
バーリング加工と丸パイプの合わせ技です。
主に、バーリング高さを利用して、穴に丸パイプを通す方法が一般的によく使われています。また、その際にやすりを使って、バーリングの角を丸くすれば、パイプにキズが付かない工夫もできます。
食品業界への展開
バーリング加工の製品は食品業界でよく利用されているのですいます。
その最大の理由はバーリング加工の滑らかな形状は、詰まりにくいというのと汚れにくいう点にあります。
さらにRの方が直角で溶接するよりも強度が高いので、修理や修繕のコストを削減できます。そのため調理用の調味料の供給容器などに使われる容器にバーリング加工を施す事が多いのです。つまり衛生面の事を考えたり強度の事を考えると、バーリング加工で製造した方がいいでしょう。
従来型の主な配管分岐工法は、鋼管同士を複雑に切りかき難易度の高い溶接によって配管を分岐させるものでした。この工法では、繰り返し振動による応力や錆等の要因により劣化した溶接部が割れるトラブルがありました。
パイプ自体に分岐部となる形状を塑性変形により成形することで、従来の分岐部分に集中するマイナス要因を大幅に改善します。
まとめ
以上バーリング加工とは?タップ加工との組み合わせ、そしてバーリング加工のやり方や、用途、応用などについて記してきました。是非バーリング加工とは何かを知り、どのような用途に使うかということを調べられている方の参考になれば幸いです。
キャディ株式会社は、様々な穴あけ加工に対応しております。ホームページに製作事例も載せておりますのでぜひご覧ください。また、詳細、お見積もりについてもお気軽にお問い合わせください。