ヘアライン加工とは?用途や仕上げの例を紹介
人々の生活の日常の色んなところに、存在している製品の加工方法として利用されているヘアライン加工。それがどんな製品に使われているのか?どのような加工方法なのか?どんな材質の製品に使われるのか?等の疑問に対し、ヘアライン加工の特徴やよく用いられる材質、用途などを紹介していきます。
目次
- ヘアライン加工とは製品の装飾として用いられる
- ヘアライン加工にはステンレスやアルミニウムがよく用いられる
- ヘアライン加工の用途は家電製品や装飾品など幅広い
- ヘアライン加工のメリット
- ヘアライン加工のデメリット
- まとめ
ここだけは知っておきたいヘアライン加工のポイント
- 製品の装飾としての加工方法
- よく用いられる材質はステンレスとアルミニウム
- 立体的で高級感のある景観にすることができる
- 加工の方法を変えることで簡単にデザインを変えることができる
ヘアライン加工とは
ヘアライン加工とは金属の表面処理加工方法の1つで、仕上げの工程に利用されます。
主に製品の装飾として加工され、加工は旋盤で金属表面に傷をつける形でおこなわれます。ヘアライン加工によって、金属表面のツヤ消しや材料の質感を強調することが可能です。
ヘアライン加工がよく用いられる材質
ヘアライン加工は光沢のある金属製品によく用いられます。代表的な素材としてステンレスとアルミニウムが挙げられます。他にも樹脂(プラスチック)などに用いられますが、今回はなぜステンレスやアルミニウムがよく用いられるのかを知るために、それぞれの素材の特徴を紹介していきます。
ステンレス
ヘアライン加工によく用いられる理由としては、ステンレスの特徴を知る必要があります。
特徴はたくさんありますが、ヘアライン加工においてステンレスがよく用いられる理由となる部分を抜粋して紹介します。
- 熱に強い
- 強度が高い
- 他の金属に比べ、錆びにくい
等が挙げられます。
ステンレスは、上記の特徴から家電製品や装飾品に多く使用されています。日常使いするようなものにもステンレスが使用されている場合も多くありますが、表面がヘアライン加工されていることが多いのには理由があるんです。
その理由は傷を目立ちにくくするためです。更に何の加工もされていない素材に比べ、見た目を良くするためにヘアライン加工が施されていることもよくあります。
アルミニウム
続いてはアルミニウムの特徴です。
アルミニウムもヘアライン加工によく用いられる理由となる特徴を紹介します。
- 軽い
- 強度が高い
- 錆びにくい
- 加工性に優れている
などが挙げられます。
ステンレスと同様に、アルミニウムは我々の日常生活で多く使用されている素材です。
アルミニウムの表面には自然酸化皮膜と呼ばれる皮膜があり、他の金属素材と比べて耐食性が非常に高いです。しかし自然酸化皮膜も時間の経過とともに、薄くなってしまいます。
そのためいくら強度が高くても、加工を施していないアルミニウムは傷付きやすいのです。アルミニウムの表面加工処理はたくさんの種類がありますが、一般的によく使われるのがヘアライン加工です。
ヘアライン加工がよく用いられる製品
ステンレスやアルミニウムが我々の日常生活で、多く使用されている材質であるということは紹介しました。
日常生活で使われている代表的なものとして、家電製品や装飾品があります。その中でもどのような製品にヘアライン加工が施してあるのか?製品のどのような部分をヘアライン加工するのか?ということを紹介していきます。
家電製品
ヘアライン加工の施してある家電製品は、冷蔵庫や電子レンジがあります。
側面や裏面など他のものと接触しやすい場所に、ヘアライン加工が施してあることが多いです。それは傷を目立たないようにすることを目的としています。
設置する段階で、色んな家具家電と接触する可能性があるので景観が損なわれないためには重要な加工です。
装飾品
ヘアライン加工の施してある代表的な装飾品としては、腕時計や指輪などがあります。
一定の方向に規則的に縦の溝があることによって上品な光沢が現れるので、金属の装飾品はヘアライン加工されることが多いです。
表札に施されるヘアライン加工
ヘアライン加工を施すことによって、何も加工していないものに比べ、表面がマットな感じになるので控えめで上品な印象を与えることができます。また立体的で高級感のある見た目に仕上げることができるので、装飾品にはもってこいの加工法といえるでしょう。
ヘアライン加工のメリット
ヘアライン加工は、表面処理方法の中でも加工時の小傷が目立ちづらくすることができ、汎用性が高い加工方法です。
装飾品の説明でも紹介しましたが、ヘアライン加工は見た目をよくするために利用されます。ここではもう少し深掘りしてヘアライン加工のメリットについて紹介していきます。
錆び付いた製品の見た目を良くするために施されるヘアライン加工
ヘアの目の大きさ
近年加工技術が発達してきて、デザイン性がとても幅広く加工することができるようになってきました。
加工する材質の雰囲気や用途によって、ヘア目のデザインを変えることが可能です。ヘア目のデザインの違いとしては、研磨する歯の番手によってヘア目の大きさを簡単に変えることができます。ほかにも加工パターンを変えることで、デザインも変えることができます。
高級感のある質感
ヘアライン加工は平面な板でも、立体的で高級感のある質感に仕上げることができます。何も加工していない材料だと、鏡面のように反射し軽い印象になりがちですが、ヘアライン加工によりどこから見ても材料に動きが加わります。加工によりさまざまな印象を与えることができるので、装飾品にはもってこいの加工法です。
光沢のバリエーション
ヘアライン加工は少し加工のやり方を変えるだけで、幅広いバリエーションのデザインに変化させることができます。
一般的なヘアライン加工は、髪の毛のような線状の模様になりますが、その線を短くしたり波状にしたりクロスさせたりすることで見た目の印象がガラリと変わります。
また線状のデザインだけではなく、いろいろな柄に変化させることもできます。
ヘアライン加工のデメリット
扱いやすく高級感も出せるので、メリットが多いように思えるヘアライン加工ですが、デメリットもあります。今回はヘアライン加工のデメリットも紹介していきます。
加工できる材質が限られる
もちろん全ての材質で、ヘアライン加工できるかといわれるとそうではありません。
それぞれ加工法によって加工のしやすい材質があるので、扱う材質で加工法を変えなければいけません。よく用いられる材質としてステンレスやアルミニウムをあげましたが、他にも樹脂(プラスチック)なども用いられます。
外観部分以外ではあまり使われない
どんなところにも使われると思われがちですが、見た目を良くしたり高級感を出す以外にはあまり活用されていません。あくまでヘアライン加工は装飾加工なのです。
なので人目に触れるような場所やものによく使用されており、機械の内側や人の目に触れないような部分にはほとんど見られません。
まとめ
ヘアライン加工の特徴やよく用いられる材質、メリット、デメリットについて紹介しました。
見た目を良くしたり、高級感を出すために用いられる加工法なので我々の目に触れることが多いです。用途も家電製品や装飾品など、日頃から目に触れるようなものが多いのも特徴の1つなので、自分の生活の中でヘアライン加工が施されているような製品を見つけてみてはいかがでしょうか。
下記の表面処理の製作実例をみることで実際のイメージがつかめると思いますので、ぜひ一度ご覧ください。