マシニングセンタとは何か?基礎知識から、加工方法まで紹介!
目次
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マシニングセンタとは何か?
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マシニングセンタとフライス盤との違い
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マシニングセンタの構造
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マシニングセンタの主な種類
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軸数によるマシニングセンタの違い
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マシニングセンタの製作事例
マシニングセンタとは何か?
マシニングセンタとは、フライス加工、穴あけやネジ立て等の加工を全て行うことができる機械です。
なぜ様々な加工方法ができるのかというと、マシニングセンタの特徴である「自動工具交換機能」を持っているので適切な加工方法によって自動的に加工を行います。
更にNC制御が可能なのでプログラミング制御によって加工に最適な工具を選び加工を行ってくれる機械です。
フライス盤との違い
マシニングセンタとフライス盤は似たような加工を行いますが、主軸の構造に大きな違いがあります。
どのような切削が適しているのか、
マシニングセンタ:軽切削
フライス盤:重切削
このように認識しておけば問題ありません。
工具やテーブルの動きを工夫すれば、曲面など複雑で立体的な加工も可能になります。
従来は平面切削はフライス盤、穴あけはボール盤、旋削は旋盤、穴加工は中ぐり盤と工程ごとに得意とする工作機械を使っていましたが、マシニングセンタのNC装置に加工する段取りをインプットすれば、人手をかけずに複合加工ができます。
マシニングセンタの構造
- ベッド
マシニングセンタの底辺を支える基盤部分。
- コラム
ベッドから垂直に伸びた柱。
※横型のマシニングセンタの場合は、このコラムが上下に移動することがあります。
- テーブル
加工する素材を設置する場所で、割り出しテーブルとも呼ばれます。
角度を割り出し回転することが可能なテーブルです。
角度を指定することで、4軸加工、5軸加工等の複雑な加工も可能にしています。
- 主軸
工具を取り付けて回転させる装置
- 自動工具交換装置
マシニングセンタに標準装備されている機構です。
この装置があるおかげで加工の際に使用する工具を一括で管理し、各工程ごとで適切な工具を取り出し加工することができます。
- NC制御装置
機械を自動的に制御する装置。
NCとは数値制御(numerical control)の略で工具の位置から加工する素材の角度や位置を全て数値として管理し制御する装置です。
マシニングセンタの種類
- 立型マシニングセンタ
主軸が下から上に向かってついており、加工物を上方向から加工する構造で、テーブルが上下左右に移動することができるので3軸での加工が可能になっています。
立型のメリットは上から削るため、図面と見合わせながら加工を行うことができ、精度の高い成果物を作成することが可能です。
しかし上側から削っていくため、切りくずが逃げる場所がないので溜まりやすいデメリットもありますので潤滑油や空気で吹き飛ばす方法がとられています。
立型で横に長くなく、スペースをとりません。
そのため、設置スペースが極力少なくなるので立型マシニングセンタは現在最も普及しているマシニングセンタといわれています。
- 横型マシニングセンタ
立型と違い主軸が横に伸びているマシニングセンタです。
このマシニングセンタは立型マシニングセンタと違い、4軸(X,Y,Z軸、テーブルが水平方向に回転する際に使用するB軸)で成り立っています。
横型のメリットは、4軸なので加工したい素材の4面を一気に加工できる点です。面替えを行う手間が省けるので手作業でのミスの削減、そして高精度で加工することが可能になります。
更に切りくずが立型と違い加工物上部に溜まることがなく、重力で下に落ちていくため加工時に切りくずがついて動作が停止するといった不具合は起こりにくくなります。
加工の種類も一般的な旋削加工からフライス加工等様々な加工を行うことができることも特徴の一つです。
しかし横型なので機械自体の設置面積が大きく広いスペースが必要になるので、注意が必要になります。
- 門型マシニングセンタ
立型、横型とは違い門型になっているので重切削を行った際にマシニングセンタ自体に歪みがしにくく素材の加工精度が悪くなることはありません。そのため上述の種類のマシニングセンタより重切削に適しているマシニングセンタです。
重切削に適している機械なのでテーブルも大きく大きな素材でも安定して加工を行うことができます。
軸数によるマシニングセンタの違い
・3軸マシニングセンタ
3軸加工の場合は、単純で縦(X軸)、横(Y軸)、高さ(Z軸)の3つの軸で制御しています。
複数の面を加工する場合は、材料を3方向分手動で動かさなければいけません。
しかし手動で操作するということは設置する際に誤差が生じてしまう恐れがあり、品質にばらつきが発生してしまいます。
複雑な加工であれば後述で紹介する4軸加工、5軸加工のほうが高速加工、高品質を維持することができます。
複雑な加工で角度や向きを変えるときは、刃物の向きにワークを合わせるために専用の治具を作、りその治具にセッティングしてから加工します。
なので、当然その部品加工費用と併せて治具製作費用も別途必要になり、全体の工程も増え、結果コスト増に繋がってしまいます。
- 3軸マシニングセンタのメリット
・後述で紹介する4軸、5軸のマシニングセンタと比べて導入コストが少ない。
- 3軸マシニングセンタのデメリット
・全体の作業工程が多くなる
・加工面を変更しなければならないので、自動化ができず人為コストが増える
・4軸マシニングセンタ
4軸加工は3軸にB軸という回転軸を追加し、テーブルの一部を水平方向に回転させることで精密な加工を実現したマシニングセンタになります。
このマシニングセンタは側面の加工であれば一度の設置のみで加工面を変更することなく加工を行うことができ、高精度の成果物を製作することができます。
更に部品を自動で機械に送り出すことができるパレットチェンジャーという機械を追加で装備することができるため、作業者の負担を減らし、人件費も削減することも可能です。
- 4軸マシニングセンタのメリット
・側面加工であれば材料の向きを変更する必要はなく、一度で多方面の加工が可能なので成果物の精度が高くなる。
- 4軸マシニングセンタのデメリット
・3軸に比べて導入コストが高くなる。
・4軸は一般的に横型の形状なので設置面積が必要になる、
・制御する部品が増えるため、故障するリスクが高くなる。
・5軸マシニングセンタ
5軸マシニングセンタは回転軸に追加で傾斜軸を追加して5軸にした機械です。
3軸でも工具自動交換装置がついているので、様々な加工を一度に行うことができる機械ではありますが、加工面の変更をする際は手動で変更する必要があります。
しかし5軸加工では加工物を回転させることができるので加工面の変更も自動で行うことが可能になります。
- 5軸マシニングセンタのメリット
・加工範囲が広く自由度が高い。
・様々な角度で加工ができるので、難易度の高い加工が可能。
・加工を1度で行えるので、余計な工程がかからない。
- 5軸マシニングセンタのデメリット
・3軸に比べてスペースを取ってしまう。
・プログラムの制御にて加工を行うが、開発の難易度が高い。
マシ二ングセンタの製作事例
今までマニシングセンタの紹介をしてきましたが、
こちらのページでは実際にマシニングセンタの製作事例を見ることができますので、ぜひご覧ください!