板金・切削・金属加工・製罐のキャディ株式会社基礎知識加工法

レーザーカットって何?-精度の高い金属の切断方法

レーザーカットって何?-精度の高い金属の切断方法

レーザーカットって何?-精度の高い金属の切断方法

レーザーカットとは?

レーザーカットとは指向性の高いレーザーを使い、金属を切断する加工法です。レーザー切断加工、レーザ切断などとも呼ばれます。

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レーザーカット(レーザー切断加工)の特徴として、主に以下のものが挙げられます。

・ドロスフリー切断が可能

・アシストガスの使用により、高品質な切断面

・切断溝幅が狭く、母材の熱変形が少ない

・非接触で切断することができる

・薄板から厚板まで切断することができる

※ドロスとはレーザー光の熱によって溶け、材料下部に残留物として付着してしまう現象。

レーザーカットの大きな特徴は、切断形状の柔軟さにあります。異形状の穴の抜き加工もレーザー加工なら可能であり、自由度の高い加工法であるといえます。板金の切断加工でレーザー切断とともによく用いられるのがタレパン加工ですが、タレパン加工では専用の金型を用意しなければ複雑な形状の切断は困難になります。

また、母材には触れることなく切断することが可能であるという点も特徴的です。そのため、切断面の品質を保つことができます。

レーザー切断ではレーザー光を集中的にあてて切断するため、ガス切断やプラズマ切断に比べて切断するために必要な幅が狭く、鋭い切断面を実現することが可能です。

さらに、レーザー切断は必要な部分のみを自由な形状に切断することが可能であり、柔軟性のある切断法であるといえます。

レーザーカットはどんな板金が得意?

レーザーカット(レーザー切断加工)は、板厚1.0mm未満の比較的薄い薄板を綺麗に加工することが可能です。

また、高出力のレーザー光を用いれば厚板の加工を行うことも可能であり、板厚約6.0mm~9.0mmの厚板を切断することができます。タレパン加工などに比べると厚板の切断加工にも対応していると言えます。

レーザーカットはピアシング(穴あけ加工)から始まる!

レーザーカット(レーザー切断加工)をする際、まずピアシングと呼ばれる穴をあける工程から始まり、その穴から切断を始めていきます。

レーザーを用いて貫通穴を開ける原理は、アシストガスを噴射しながらレーザーの出力をかけることによって母材を繰り返し溶かしていくことによります。

レーザーを当てている部分が溶け、溶けた材料がアシストガスにより吹き上げられ、新たに母材が露出することによって、これが繰り返されて貫通穴が形成されます。

穴あけをする際に用いられるアシストガスの役割は、溶けた母材を吹き飛ばすだけではありません。

窒素のような活性でないガスを用いた場合は、アシストガスの役割は上記のような母材を吹き飛ばすというものですが、酸素ガスを用いると、化学反応により穴の貫通速度を速くすることができます。その一方で、酸化膜の除去などの後工程が発生してしまうというデメリットもあります。

レーザーカット(レーザー切断加工)をする場合は、この原理で穴を開けたあとに、切断したい方向へレーザーもアシストガスも止めずに進めていきます。

レーザーカット(レーザー切断加工)では加工の原理としてレーザー光を用います。そのため、光をよく反射してしまう銅や金のレーザー加工は困難になります。レーザーカットが困難な材質のものには、タレパン加工機をもちいて切断加工・穴あけ加工をすることになります。

レーザーカットの切断面はレーザー光出力や速度によってかなり影響を受ける

レーザー切断では、切断条件が切断部の品質に大きく関わってきます。

良質な切断面を実現するためには、母材の材質や板厚に合わせて、レーザー光の出力やレーザー切断の速度などを調整する技術はもちろん必要になってきます。

しかし、レーザー切断は機械を用いて細いレーザー光によって板金を切断する、非常に繊細な加工法であるため、非常に多くの要素が切断の品質には関わってきます。

例えば、アシストガスの使用も切断品質に大きな影響をあたえます。アシストガスはレーザーの照射により生じる物質を速やかに除去することで、切断面下面にドロスが付着してしまうことを防ぎます。

切断速度は、遅すぎると過剰な熱供給によって切断面が幅広くなってしまうとともに、大量のドロスの発生によって品質が低下します。逆に早すぎる場合も、切断面には多くのドロスが付着してしまいます。

アシストガスやレーザー光のように実際に、使用されるものの条件が影響を及ぼすのはもちろんですが、レーザー溶接機のレンズや表面の汚れなどの細かい要素も切断面に影響を与えてしまいます。

レーザー切断は綺麗かつ柔軟に切断ができる一方で、非常に繊細な切断法であるといえます。

レーザー加工機

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まず、YAGレーザーの場合はファイバを通して、CO2レーザーの場合はミラーで反射させながらレーザー光を発振器から伝送します。伝送された先には加工ヘッドと呼ばれるトーチがついていて、そこから溶接する部分にレーザーを照射し、レーザーのエネルギーによって母材が溶融します。

ここで、アシストガス供給装置から酸素や窒素などのアシストガスが供給されます。

しかし、レーザー切断機は他の切断機と比べると大がかりな装置になり、価格も比較的高価になります。

その他の切断方法との比較

ガス切断・プラズマ切断

レーザーカット、ガス切断、プラズマ切断はそれも「熱」を使用して金属を切断する方法です。コストはレーザー加工の方が他の2つに比べ高くなりますが、その分精密な加工ができるのが特徴です。下記の表は3つの切断方法の特徴をまとめました。

レーザーカット プラズマ切断 ガス切断
切断速度
切断の精度 0.5mm単位での加工が可能 0.5mm単位での加工が可能 1㎜単位での加工が可能
切断の断面 ドロスが発生しやすい
切断可能板厚範囲 (軟鋼) 1~32mm 2~60mm 4~3,000mm
切断可能材料 軟鋼・アルミ・ステンレス・鋼 軟鋼・アルミ・ステンレス・鋼 軟鋼
切断コスト

タレパンとの比較

レーザーカットとタレパン加工の大きな違いは、まず加工の原理の違いにあります。

レーザー加工はレーザー光による熱を利用して母材を溶かしカットしているのに対し、タレパン加工は連続的なプレス作業によって切断加工します。

直線的な切断であればレーザー加工の方がタレパン加工よりも加工速度が速くなります。複雑な形の場合でも直線距離が長い場合はレーザー加工の方が速いですが、穴あけが必要な製品の場合はタレパン加工の方が適しているといえます。タレパン加工は、タレパン加工機内で金型の入れ替えを行うことができ、1度のプログラムで抜きから穴あけまでスムーズに行うことができるためです。

タレパン加工の方が細かいプレス作業による加工になるため、レーザー加工よりも高い精度を実現することが可能です。しかし、タレパンはプレスによる打ち抜きで切断するため、レーザーカットに比べて複雑な形には対応できないことがあります。複雑な形状に加工する場合は専用の金型を用意する必要があるため、その分価格が高くなります。

また、レーザーカットの方が対応できる板厚の幅は広くなります。タレパン加工では厚板の加工は困難ですが、レーザーカットでは高出力のレーザー光を用いれば加工できます。

コストに関しては、どちらも大掛かりな機械を用いるため機械のコストは比較的大きいです。作業コストに関しては、タレパン加工の方が金型による打ち抜きのみであるため安いといえます。一方で、レーザー加工の場合は大量の電力を要するなど作業コストは高くなるといえます。ただし、先にも述べたように、これらは切り抜く形状によって左右されます。

そこで、タレパン加工とレーザーカットを組み合わせた複合機が普及しています。作業コストを抑えることができるタレパン加工機の利点と、複雑な形状の加工に対応することができるレーザーカットの利点を組み合わせたものになり、費用対効果が高い加工法になります。

穴やタップなどの成形加工をタレパン加工で、複雑な切り抜きや外周の切断をレーザーカットで加工することによって、レーザータレパン複合機1台で製品の加工を一貫して行うことができます。レーザータレパン複合機は、高精度でありながら作業時間を短縮することのできる、非常に優れた加工機であるといえます。

これら3種の加工法の特徴は以下のようにまとめることができます。タレパン加工とレーザー加工にはそれぞれに利点があり、両方の利点を合わせたものがレーザータレパン複合機になります。

レーザーカット タレパン加工 レーザータレパン複合機
精度
板厚
異形穴
コスト

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