三価クロメートとは?種類や特徴を紹介

三価クロメートとは?種類や特徴を紹介

材料表面の加工方法である三価クロメート。似ている加工方法では、六価クロメートやクロムメッキなどが挙げられます。

今回は三価クロメートがどの様な加工方法なのか?その加工方法の特徴や種類について紹介します。

目次
  1. 三価クロメートとはメッキ後に行う後処理のこと
  2. 三価クロメートは三価白と三価黒の2種類ある
  3. 三価クロメートと六価クロメートの違い
  4. まとめ

これだけは知っておくべき三価クロメート処理のポイント

  • 三価クロメートはメッキ処理の後処理として施される
  • 耐熱耐食性に優れている
  • 六価クロメートから三価クロメートに移行している理由は環境面の配慮の為

三価クロメートとは

三価クロメートは、メッキ後に行う後処理を指します。多くは亜鉛メッキの後処理として施されますが、カドミウムメッキなどに対しても使用されます。

クロム酸または重クロム酸塩を主成分とする溶液中に製品を浸漬して、防錆皮膜を生成させる手法です。

以下で説明いたします通り、従来は六価クロメート処理が一般的でしたが、環境面での配慮から徐々に三価クロメート処理への移行が進んできています。

似たような用語に三価クロムメッキがありますが、こちらはメッキ処理を指すので三価クロメートとは全く異なります。

三価ユニクロという言葉もありますが、これは正式名称ではありません。ただし三価クロメートと同義であり、伝票や図面にも記載されるなど、一般的に使用されています。

三価クロメート処理には下記のような効果があります。

  1. 耐食性の向上
  2. 白さび発生を防ぎ、指紋等に対する防汚性を付与する
  3. 外観向上
  4. 塗料、染料の密着性向上

三価クロメート処理の種類と特徴

三価クロメート処理の種類は大きく分けて2種類あります。以下にその種類と特徴を挙げます。

三価白

名前に「白」と付きますが、色調はシルバー色です。

有色クロメートと同様に耐腐食性があり、六価クロムのような擬似的な自己修復性も持ち合わせています。

見た目の色合いは六価クロメートに比べるとやや劣りますが、六価クロムと比較すると人体への影響はないため、従来の「ユニクロ」、「クロメート」の代替手法として用いられるようになってきました。

「三価クロムクロメート」や「三価クロメート」とも表現されます。以下では三価白のメリットとデメリットを挙げます。

メリット

  • 耐腐食性がある
  • 擬似的な自己修復性がある
  • 環境に良い

デメリット

  • 色合いはユニクロに劣る

三価黒

色調は黒色です。

三価白と同様に耐腐食性があり、六価クロムのような擬似的な自己修復性も持ち合わせています。

六価クロメートである「黒色クロメート」の代替手法として取り入れられるようになってきています。

「三価クロムクロメート黒色」、「三価黒色クロメート」とも表現されます。
以下は三価黒のメリット、デメリットです。

メリット

  • 耐食性がある
  • 皮膜硬度が高い
  • 経年変化で変色しない

デメリット

  • 色合いが黒色クロメートには劣る

三価クロメート六価クロメートの違い

三価クロメートの特徴を紹介しましたが、以前まで用いられていた六価クロメートとはどのような違いがあるのかということも紹介します。

環境面

クロムがイオン化すると、三価と六価という2つの状態を取ることができます。

六価のクロムには気化しやすいという特徴があり、消化器官、皮膚などから容易に吸収されてしまい、酸化を体内で引き起こした後に安定な三価クロムに変わって人体に残留します。

六価クロムの毒性は、胃腸炎、皮膚炎、潰瘍などを引き起こす原因となると言われています。

従来は六価クロメート処理が主流でしたが、ELV指令(使用済み自動車の欧州議会指令)やWEEE指令(廃電子電気機器指令)、RoHS指令(有害物質の使用制限)等の発効により規制対象となってきました。

そこで、人体への影響がない三価クロメート処理が台頭してきました。三価クロメートは安定した物質で、酸化力が弱いため、環境面では圧倒的に三価クロメートに軍配が上がります。

ただし、三価クロメートにも六価のクロムが含まれる場合があり、これは三価クロメートの薬剤に添加されているコバルトが起因しています。

より詳細には、

  1. 二価のコバルトが皮膜反応中に三価へ酸化される
  2. 三価のコバルトは不安定であり、紫外線、熱等によって徐々に分解され還元してしまう
  3. コバルトが還元する際に周りの三価コバルトから電子を奪って四価コバルトへと変化させてしまう

というフローで起きてしまうと考えられています。

とはいえ、その含有量は微量であるため、環境面での心配はないと言われています。

耐食性

三価クロメートが実用化され始めた時期には、薬品が発展途上であることや不純物管理等の面で耐食性のバラツキが確認されていました。このため、今でも六価クロメートと比べると三価クロメートの耐食性は低いと誤解されることもありますが、現在では改善が加えられ、三価クロメートは六価クロメートとほぼ同等の性能を発揮しています。

また、三価クロメートは耐熱耐食性が優れているという面もあります。これは六価クロメートに水分を含んまれた際に、六価クロムが自己修復を行うことに起因します。水分を維持しつつクラックが入らないように被膜するためには、60℃以下に綿密に温度管理をすることが必要です。

他に、三価クロメートは皮膜厚が 0.1μmと薄いことも特徴として挙げられます。また、耐食性は三価クロムのバリアー、コバルト・シリコンの水分浸透防止作用によって担保されています。このため水分の含有を考慮する必要がないため、工程の乾燥温度を80~100℃と高めに設定することができ、厳密な温度管理をしなくて皮膜にクラック (ヒビ割れ)が入りにくいという特徴があります。120℃までは耐食性が低下するリスクはなく、100℃付近の使用雰囲気(周辺空気中の混合気体のこと)で安心して使用することが可能です。

色調

三価クロメートの薬液は、基本的には「白色」と「黒色」の2色しかありません。ですが薬液の調整により幅広い色味を持った被膜を作り出すことが可能です。

実際に可能な色調は下記の通りです。

・青銀白色
・青~セミイエロー
・黄金色または虹色
・黒色
・オリーブ色、暗緑色

中でもユニクロ(青銀白色)は、様々な業界(自動車や機械部品など)から好まれている色調ですが、最近では環境面での影響も配慮して、六価クロメートから三価クロメートのオーダーが増えているそうです。

見た目から六価と三価を区別することは困難であり、そうしたことからも三価クロメートが色調で不利ということはないと言えます。

自己修復作用

先述の通り、六価クロメートには自己修復作用があります。亜鉛メッキ層の上のクロメート皮膜に小傷がついた場合でもクロメート液がしみ出して皮膜を自己修復してくれます。一方三価クロメートにはキズに対する自己修復作用がありません。このため、三価クロメートは耐食性低下に対して懸念があります。

処理の難易度

六価クロメートは乾燥工程で水分を維持しクラック(ヒビ、割れ)が入らない様に厳密な温度管理(60℃以下)が必要で、高温に弱いです。対して三価クロメートはクラックが入りづらい為、80〜100℃と高温で処理するので、六価クロメートと比べると高温に強く処理しやすいです。

ただし、三価クロメート処理は厳密なpH (酸性、アルカリ性の指標)管理が必要です。pHが高すぎても低すぎても被膜の形成が不十分となり、耐食性が低下してしまいます。また、クロメート処理中はpHが上昇していくので、常にモニタリングして一定の値に保つ必要があります。

一般的に三価クロメート処理の方が難易度が高いと言われています。

コスト

三価クロメートは六価クロメートの1.3~1.5 倍のコストがかかると言われています。理由は下記の通りです。

・クロメート処理薬剤そのものの単価が高い
・ランニングコスト (処理の濃度・温度・時間・老化性)がかかる
・プロセス中の管理に手間がかかる (対不純金属・pH 分析管理)
・排水処理性等の要因

このような三価クロメートのデメリットを補うため、 薬剤メーカー、表面処理メーカーともコスト低減への取り組みを行っています。

まとめ

今回は三価クロメートの種類や特徴、六価クロメートとの比較などを紹介しました。実際に加工例を見るとより理解できると思います。

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