塗装について詳しく解説!

塗装について詳しく解説!

目次
  1. 塗装とは
  2. 塗装の種類・分類
  3. 板金加工製品への塗装工程
  4. 板金加工製品への塗装は前処理で差がつく!
  5. 焼付塗装とは
  6. 塗装の価格比較
  7. 塗装とメッキの違い

塗装とは

塗装のイメージ絵

塗装加工とは、材料の表面に塗料を塗り乾燥させることで色を付与する表面加工処理です。塗装では様々な色に製品を着色することができます。また、塗装は色を加えることだけでなく、材質表面を皮膜で覆うことによって、精密に塗装加工を施せば錆をある程度防ぐこともできます。

塗装というと、自動車の板金塗装が第一に思い浮かぶ方が多いかと思われます。塗装加工とは大変幅が広く、塗料を塗ることによる表面処理加工は基本的に塗装加工であるため、対象物が自動車であっても木材であっても同じ塗装加工としてみなされます。

キャディ株式会社では板金加工製品の塗装加工を取り扱っており、板金の切断加工や曲げ加工、溶接加工などをした後に精密に施される表面処理加工になります。

塗装に並ぶ表面処理加工はメッキ加工です。メッキ加工は、金属表面にメッキ皮膜を析出させて金属表面を保護したり機能を付与したりする加工法になります。メッキは金属光沢のあるものであり、もちろん製品の装飾目的でメッキ加工処理されることもあります。

塗装加工は、メッキ加工に比べて色の選択肢が広いという特徴があります。さらに、用いられる塗料にも様々な種類があります。

塗装の種類・分類

塗装加工で用いられる塗装は大変多くの種類があり、なかなか精密に分類することが難しいです。ここでしっかりと分類し、塗装の種類を整理しておきましょう。

そもそも、塗装加工で用いられる塗料は主に以下の5つの成分からできています。

  • 樹脂:塗膜の性能、耐候年数などに影響する成分。
  • 硬化剤:樹脂と反応し、塗膜の強度を向上させる成分。
  • 顔料:着色、防錆、強度を左右する成分。
  • 添加剤:塗料の粘度や作業性などに影響を与える成分。
  • 溶剤:樹脂や硬化剤を溶かして塗膜を均一にする成分。

これらの塗料成分の違いによって塗装は分類することができます。中でも樹脂は塗膜の性能を左右する成分なので、用いられる樹脂によって分類することが多いです。

しかしその前にまず、塗装の形態によって分類することができます。塗装の形態には以下の種類があります。

  • 溶剤塗装(液状塗装)
  • 溶剤型塗装
  • 無溶剤型塗装
  • 水性塗装
  • 粉体塗装

液状塗装

液状塗料とは、その名の通り液体状の塗料であり、その成分によってさらに溶剤型塗料・無溶剤型塗料・水性塗料に分類されます。

そして、液状塗装で主に用いられる樹脂の種類で塗装を分類すると、以下のようになります。

液状塗装の分類図

アクリル樹脂塗装の最大の特徴は、その他の塗装と比べて価格が安いことです。

また、発色がよく製品への着色には問題なく、さらには重ね塗りなどの加工性にも優れています。

しかし、アクリル樹脂は耐候性が低く、耐候年数が短いという特徴があります。塗膜が硬くひび割れしやすいという短所もあります。

メラミン樹脂塗装の特徴として、表面に光沢があることがあげられます。メラミン樹脂塗装は、後述する焼付塗装がなされることが多いですが、光沢のある焼付塗装として板金製品に用いられる塗装加工法です。

また、硬度も高く耐水性にも優れており、一般的に使用されている塗装です。

ポリウレタン樹脂塗装の特徴は、艶があり高級感のある塗装外観を実現できるという点があります。また、ポリウレタン樹脂は主に鉄などの金属表面との密着性が比較的高いです。そのため、剥がれにくく塗装加工がしやすい樹脂になります。

さらに、ポリウレタン樹脂は比較的柔らかい樹脂であるため、加工性が高い樹脂です。衝撃などの変化に比較的強いといえます。

シリコン樹脂塗装は、コストパフォーマンスが高い塗料として人気が高いです。耐候年数が約12年と長いのに対し、価格がそれほど高くはありません。

フッ素樹脂塗装は、耐候年数が15年以上と非常に長く、着色はもちろんのこと防錆効果や耐薬品性など様々な機能において他の塗料よりも優れています。ただ、価格が高価であり、高級な塗装法として認識されています。

粉体塗装

粉体塗装とは、固体樹脂を微粉砕した粉状の塗料を用いる塗装です。粉体塗装は特に金属表面に対して用いられることが多く、その際に後述する焼付塗装処理をすることが多いです。

液状塗料は溶剤に顔料が溶け込んでいて、塗装後に溶剤が揮発することで塗膜が形成されるのに対し、金属表面に顔料を直接付与するのが粉体塗装です。

粉体塗装の特徴としては、

  • 強度が高く、液状塗装に比べて耐候年数が長い。
  • 厚い被膜を形成することができるため、塗り重ねや焼付の工程が少なく済む。
  • うまく付着しなかった塗料を再度使用することができる。
  • 有害物質を含む溶剤を使用しないため、環境に優しい。

などが挙げられます。

では、粉体塗装を分類していきます。まず。粉体塗料に主に用いられる樹脂によって分類していくと、

  • アクリル樹脂粉体塗装
  • エポキシ樹脂粉体塗装
  • ポリエステル樹脂粉体塗装

となります。ただし、粉体塗料は樹脂の種類だけでなく、塗装がなされる工程によっても分類されます。以上に挙げた粉体塗装は、「熱硬化性粉体塗装」というもので、熱を加えて最終的に塗膜を形成する一般的なものになります。

一方で、「熱可塑性粉体塗装」と呼ばれるものがあります。こちらは粉体塗料を約200度の高熱で加熱することで塗膜を形成する塗装法で、主に用いられる樹脂で分類すると、

  • 塩化ビニル樹脂粉体塗装
  • ポリエチレン樹脂粉体塗装
  • ナイロン樹脂粉体塗装

などが挙げられます。

粉体塗装の分類図

板金加工製品への塗装工程

塗装加工の工程は、

  1. 前処理
  2. 塗布
  3. 乾燥

になります。

前処理とは、板金製品へ塗料を塗布する前に金属表面をきれいにする表面処理のことをいいます。金属は塗料との密着性が低く、そのままではすぐに塗装が剥がれてしまいます。また、金属の性質の問題だけでなく、板金製品表面に錆びや汚れが付着していることも塗料がしっかりと密着しない原因になります。前処理については後ほど詳しく説明しますが、塗装加工において非常に重要な工程になります。

塗料を塗布する方法は大きく分けて以下のものがあります。

溶接方法 特徴
手吹塗装 小ロットに対応でき、複雑な形状や多品種の塗料でも対応可能です。 しかし手作業のため大量生産には不向きであり、また職人の技術が必要になります。
静電塗装 手吹塗装と違い塗料使用量に対しての効率が良いという特徴があるため、使用量が少なくて済みます。 静電気を使っての塗装となるため、電気を通さないものについては通電塗料を塗布して行います。 しかし複雑な形状には適さず、静電気を使用することで逆にゴミブツ対策が難しいという短所もあります。
粉体塗装 電気を通じて塗料を密着させる方法です。静電塗装との違いは使用する塗料が「溶剤」か「粉体」かということです。 膜厚が厚くなるため、素材への負担を軽減することができ、また衝撃で素材が露出しにくいという長所があります。 一方で逆に薄膜に仕上げることができないため、精密部品などには不向きです。
浸漬塗装 静電気を使わずに粉のプールに高温に熱した素材を浸漬することで塗布する方法です。 静電塗装よりも高膜厚に仕上がるのが特徴です。
電着塗装 素材を水溶性の樹脂を溶かした液中に入れ、メッキ塗装と同じように電気を流して樹脂を付着させ、最後に熱硬化させて塗装する方法です。 細部まで均一な仕上がりで塗装できることが長所ですが、コストが高いため、大量生産時に用いるのに適しています。また塗装される素材が導電性があり、耐熱性に優れている必要があります。

特に、板金製品に対しては粉体塗料を用いた静電塗装が主流となります。粉体塗装をしたあとに、後述する焼付塗装によって強固な塗膜を形成することができます。

また、電着塗装は特に複雑な形状にも均一な膜厚の塗膜を形成することができることが特徴です。主に自動車の板金塗装など、大量生産の場で用いられています。

塗料を板金製品に塗布し終えた後は、塗料を乾燥させることで塗膜が形成されます。塗料の乾燥も大きく分けて強制乾燥、自然乾燥、焼付乾燥の3つの方法があります。

熱を加えて塗料を乾燥させることによって、塗膜の形成を早めるだけでなく、より金属表面との密着性を高めることができます。なかでも、焼付塗装は塗装の強度に大きく影響を及ぼすものであり、アルミやステンレス、鉄などの板金加工製品において比較的頻繁に用いられています。

板金加工製品への塗装は前処理で差がつく!

板金加工製品への精密な塗装加工のためには、前処理が非常に重要になります。板金製品の金属表面に錆がついていたり汚れがついていたりすると、塗料が綺麗に密着しないためです。

前処理から塗装までのイメージ絵

前処理としては、機械的方法と化学的方法の2種類の処理を行います。

機械的前処理

機械的前処理とは、研磨などにより金属表面を綺麗にする処理法です。主にサンドブラストやワイヤーブラシ、ペーパー溶剤拭や蒸気脱脂などのことを指し、金属表面を研磨し、錆や油を取り除く処理方法です。

化学的前処理

それに対し、化学的前処理とは綺麗にした金属表面を皮膜で覆い、塗装を剥がれにくくさせたり、万が一塗装に傷がつき剥がれてしまった場合でも錆が広がらないようにしたりする処理法です。金属表面を被膜で覆うことによって塗料の密着度を高めています。リン酸塩処理などがこの処理法に当たります。

これらの前処理は、板金加工製品に塗装を行う上で非常に大切です。適切な前処理を行わないと、綺麗に着色することができないばかりでなく、塗装の密着度が悪くなり耐候年数が短くなってしまいます。

焼付塗装とは

焼付塗装とは、金属表面への塗装加工の際によく施される加工法であり、主に塗装の強度を高めることを目的としています。

焼付塗装の塗装方法は、塗装皮膜の樹脂に熱を加えることによって塗装被膜を乾燥させ硬化するという方法です。焼付塗装の際に加える熱は、一般的に100度以上になります。焼付塗装を行うことによって、硬度や耐摩耗性など、板金加工製品に必要な性質を向上させることができます。

焼付塗装のイメージ絵

焼付塗装がなされる主な塗装方法は、

  • アクリル樹脂塗装
  • メラミン樹脂塗装

の2種類になります。

アクリル樹脂焼付塗装

アクリル樹脂塗装の焼付は、一般的に必要な温度が約180度ほどと非常に高いです。そのため比較的困難な焼付塗装であると言われています。硬度、耐候性、耐薬品性などが向上します。

メラミン樹脂焼付塗装

メラミン樹脂塗装の焼付は、一般的に必要な温度は140度ほどであり、アクリル樹脂塗装の焼付に比べて比較的容易かつ安価であるため最も一般的な焼付塗装になっています。

焼付塗装は素材表面の硬度や耐摩耗性などを向上させることが可能です。そのため、金属表面への塗装において比較的頻繁になされる加工法にはなりますが、金属表面への塗装は焼付塗装ではない通常の塗装を用いることももちろん可能です。

塗装の価格比較

塗装の分類をしましたが、板金加工製品へ塗装する場合の価格を比較してみます。

主に板金加工製品などの金属表面に加工される塗装として、

  • アクリル樹脂焼付塗装
  • メラミン樹脂焼付塗装
  • ポリウレタン樹脂塗装
  • 粉体樹脂焼付塗装

を比較したいと思います。

塗装の種類 価格比
アクリル樹脂焼付塗装 100
メラミン樹脂焼付塗装 66
ポリウレタン樹脂塗装 106
粉体樹脂焼付塗装 112

ある鉄製品へのアクリル樹脂焼付塗装にかかる価格を100とした場合、その他の塗装方法はおよそ上記のような価格になります。(あくまでも推定値であり、大きさ・ロット数・形状など様々な条件により変動します。)

この価格比較から、メラミン樹脂焼付塗装が比較的安価にできる焼付塗装であることがわかります。ただ、アクリル樹脂焼付塗装は加熱に要する温度が高い分塗装皮膜が硬くなりより耐久性のある塗装となります。

粉体樹脂焼付塗装は、高性能である分少し価格が高くでています。

塗装とメッキの違い

塗装とメッキの違いのイメージ絵

塗装とメッキはまったくの別物になります。

まず、加工の原理が異なります。

塗装はいままで述べたように、塗料を金属表面に付与することによって着色する加工法です。一方で、メッキ加工はイオン化傾向を利用し、金属表面にメッキ被膜(金属)を析出させる加工法です。そのため、表面に付着しているものが塗料と金属皮膜とで全く異なります。

さらに、加工の目的・用途が異なります。

塗装の主な目的は着色や防錆であるのに対し、メッキの目的は素材金属の保護(防錆、耐摩耗性の向上など)や電気伝導性などの素材金属にはない機能の付与です。メッキ皮膜が形成されることによって、メッキ素材の金属の性質を製品に付与することができるのです。

しかし、最近では「メッキ塗装」と呼ばれるものが普及しています。メッキ塗装とは、塗料によって製品の表面にまるでメッキ加工したかのような金属光沢を与えるものです。原理は塗装加工なので様々な色を付けることができ、プラスチックや木材でも光沢のある金属調に仕上げる事ができます。つまり、メッキ塗装とは「見た目をメッキ加工のようにする塗装加工」という表現が適切になります。

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