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SUS303とは?特徴、他の規格との比較について解説!

SUS303とは?特徴、他の規格との比較について解説!

SUS303の基礎知識

SUS303とは何かについて、ステンレス自体を説明した上で、SUS03の特徴や、SUS304との違い、SUS04と見分ける方法を説明し、さらにはSUS03選定のポイントや、流通している形状、性質などを説明していきます。

目次
  1. SUS303とは
  2. そもそもステンレスとは
  3. 粘り気が少ない快削ステンレス鋼SUS303
  4. SUS303とSUS04の違い
  5. SUS303かSUS04かを見分ける方法
  6. 加工コストを下げたいときはSUS03が最適
  7. SUS303のの形状は丸棒が多い
  8. SUS303は、P,S,Moの含有量が多いのが特徴
  9. まとめ

これだけは知っておきたいSUS303のポイント!

  • 切削性に優れている
  • ボルトやナットに良く用いられる
  • SUS04より耐食性に劣る

SUS303とは

リンと硫黄を添加した切削加工用ステンレスの一種です。SUSとはStainless Used Steelの略で、ステンレスの材質を表すときに後ろに番号を付けて用いられます。

SU303は、18Cr-8Ni-高S型の組成を持ち、切削性、加工性、被削性、耐焼付性を向上させたステンレス鋼材で、自動盤用やボルト、ナット用途として使われます。一方溶接には向いていません。

そもそもステンレスとは?

まず名前の由来は、ステンレス(Stainless)とはステイン(Stain)汚れと、レス(Less)無いの造語で、汚れが少ない素材から来ています。

もともとステンレスとは、とは鉄及び、鉄の5元素と言われる、

C(炭素)、Si(シリコン)、Mn(マンガン)、P(燐)、S(硫黄)に、クロム(Cr)・ニッケル(Ni)

を含有させた合金鋼のうち、クロムの含有量が約11%以上のものを言います。

ステンレスは、大きく以下のの5種類に分類されます。

1)マルテンサイト系ステンレス鋼

2)フェライト系ステンレス鋼

3)オーステナイト系ステンレス鋼

4)オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼

5)析出硬化系ステンレス鋼

SUS303は上記ステンレスの分類の中では、オーステナイト系ステンレス鋼に分類され、、常温でオーステナイトを主要な組織とするステンレス鋼の一種です。

オーステナイトとは、鉄に炭素や合金元素などの他の元素が固溶したものです。

本来は常温では存在しませんが、合金元素を添加することでオーステナイトが安定化し、常温でも存在するようになります。

SUS303はオーステナイト系ステンレス鋼の中でも一番ユニークな種類です。

以下ではその特徴を説明します。

粘り気が少ない快削ステンレス鋼SUS303

オーステナイト系ステンレスの中でも、S303の際立った特徴は、P(リン)とS(硫黄)の含有量が極めて多いことです。

他のオーステナイト系ステンレスはリン燐の含有量は、0.045%以下、硫黄の含有量は、0.03%以下なのに比べ、SUS303の含有量は、リンは0.20%以下、硫黄は0.15%以上です。

リンと硫黄の含有量を多くすると、粘り気が少なくなり、切削性に優れるという特徴をもつため、SUS303は他のオーステナイト系ステンレスに比べ快削ステンレス鋼とも言われます。

また被削性・耐焼付性も優れています。従って、深い穴や溝、ポケットなど切削しにくい部分が多くあるような加工品への適用がおすすめです。一方、硫黄やリンといった成分が多いことにより、耐食性、溶接性には劣ります。

なお快削ステンレス鋼は、S303だけではありません。元々の定義として、快削ステンレス鋼は、一般に切削性が良くないステンレス鋼の欠点を補うために、

快削性元素と呼ばれる硫黄、セレン、鉛などをモリブデン、ジルコニウムなど共にステンレス鋼に添加したものを言います。

JISにおいては、SUS303以外に、303Se、430F、416、420F、440Fなどが

快削性ステンレス鋼とよばれています。

SUS303とSUS304の違い

次に、SUS303とSUS304の違いについて記したいと思います。

実はオーステナイト系ステンレスの中ではSUS304は、18クロムステンレスとも呼ばれ、

代表的なステンレス鋼として最も広く使用されている鋼材です。

用途としては、家庭用品から、建築部材、車両材料、一般化学設備、食品設備、さらには原子力設備ということで様々な製品に使用されています。

SUS304に対して、SUS303の一番の特徴は、リンと硫黄を多く含有することによって切削加工しやすいとです。

一方、耐食性には劣り錆びやすいこと、かつ入手性に難があります。また溶接性もSUS303は、SUS303に劣ります。

従ってSUS303は、切削加工しやすい利点を生かして、ボルト・ナットに用いられることが多いです。

SUS303かSUS304かを見分ける方法

見た目で、SUS304とSUS303を見分けるのはとても難しいです。一方、旋盤などの加工を行った際、切りくずから推定するのが一番見分けられる可能性があります。

切りくずは粘り気のある材質ほどつながる性質があります。

SUS304の場合は、粘り気が多いので、切りくずが一本につながっていることが多いですが、一方SUS303は粘り気が少ないので、切りくずがつながらないことが多いです。

加工コストを下げたいときはSUS03が最適

SUS303を選定したケースについて紹介します。

1)材料をSUS304 からSUS303に変更のケース

加工コストを下げたい場合に、SUS303はSUS304の代わりによく用いられることがあります。

加工性に優れたステンレス材料だからです。加工性が良ければ工程時間の短縮、ひいては

トータルでのコストダウンにつながります。

ただし、耐食性が良くないという特徴もあるため、。機械部品が一般的な耐食性等を備えていて、問題ない場合にSUS303を選択するのが良いでしょう。

2)材料をSUM(硫黄および硫黄複合快削鋼鋼材)材からSUS03に変更による加工精度の向上

元々SUM材を使用していて、種類またはロットによって寸法のばらつきが発生しやすい特性があるため、公差±広い公差範囲が必要であったところを、SUS303を使うことにより、

寸法精度が向上し、品質が向上したという例があります。

SUM材はSUS材に比べて安価であることは間違いないのですが、精度がばらつきがあります。そのため、後処理や精度出しのことを考えると、SUS303を使ったほうがトータルコストで安くなることがあります。

SUS303の形状は丸棒が多い

SUS03で流通している形状は、丸棒か形鋼になります。管や板形状のものは流通していません。丸棒は、ピーリング・プラスコンバインド丸棒、ターニング丸棒、センタレス丸棒

等があります。

一方SUS303を用いたシムプレートが販売されています。シムプレートとは、機械製作などの作業現場において、隙間など埋めたりする高さ調整

の用途で、物と物の間に挟む材料のことです。スペーサーとも言います。

SUS303は、P,S,Moの含有量が多いのが特徴

以下、SUS303の機械的性質と化学的性質を記します。

機械的性質

SUS303の機械的性質を以下に記します。

ステンレスとして一般的に使用されるSUS304とほぼ変わらない値です。先述の通り、SUS304は粘り気が強く、一方SUS303は快削性に優れているという違いはありますが、機械的性質については同等レベルであると言えます。

機械的性質
耐力 (N/mm^2) 引張り強さ(N/mm^2) 伸び(%) HBW HRBS HV
205以上 520以上 40以上 187以下 90以下 200以下

化学的性質

SUS303の化学的性質で他の系鋼材との際立った差は、P,Sの含有量が多いことと、Mo(モリブデン)も含有されていることです。P,S,Moの含有量が多いことによって、SUS303が切削性に優れているという特徴につながっています。

SUS303の成分、組成(単位:%)

化学的性質
C Si Mn P S Cr Mo Ni
0.15以下 1.00以下 2.00以下 0.20以下 0.15以上 17.00~19.00 0.6以下 8.00~10.00

まとめ

SUS303とは何かについて、ステンレス鋼材の一種という説明から始まり、ステンレス自身の説明も

した後に、ステンレス鋼で最も良く用いられているSUS304とSUS303の違い、そしてSUS303の用途、選択された事例、流通している形状、性質などについて説明してきました。

SUS303は、切削加工性が良いことが一番の特徴ですので、是非切削で苦労している場合には、SUS303を検討してみるのも一案だと思います。SUS303を知る参考になれば幸いです。

キャディ株式会社はSUS303などステンレスのをそ板金加工、金属加工に対応しております。ステンレスの製作事例も載せておりますので是非ご覧ください。また詳細、お見積もりについてもお気軽にお問い合わせください。

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