鉄/鉄板のメッキ加工
目次
- 鉄/鉄板のメッキ加工とは
- 鉄/鉄板のメッキ加工の特徴
鉄/鉄板のメッキ加工とは
鉄製品は身の回りに溢れていますが、鉄は錆びやすい金属です。鉄材料のみの無防備な鉄製品は、基本的にすぐに表面に錆びが発生してしまいます。そのため、鉄製品にはメッキ加工処理が比較的よく用いられます。
メッキ加工処理とは、素材を様々な金属皮膜で覆うことによって素材だけでは満たすことのできない特性を付与する表面処理加工です。
メッキ加工処理の特徴としては、
・素材だけでは達成できない、製品に必要な機能を付与することができる
・きれいな金属外観を手に入れることができる
・鉄素材を保護することができる
などが挙げられます。
鉄製品にもメッキ加工は大変よくなされる表面処理加工法になります。
鉄は基本的に錆びやすい性質があるため、主に錆を防ぐ手段としてメッキ加工処理をします。その他にも、銀のように輝く光沢のある表面にするなど装飾のためのメッキまで、様々な用途があります。
鉄/鉄板のメッキ加工の特徴
鉄の大きな特徴の1つとして、材料費が非常に安いという特徴があります。そのため、材料を鉄とし必要な機能をメッキ加工によって付与することで製作コストを抑えることができます。
鉄は基本的に表面処理なしで製品に用いられるということはありません。黒皮、メッキ被膜、塗装皮膜など、鉄表面が保護された状態で用いられることがほとんどです。その理由として、鉄は大変錆びやすいという性質が挙げられます。
鉄に良く用いられるメッキの種類が亜鉛メッキになります。亜鉛メッキは鉄製品に対し非常に高い防錆効果を発揮します。鉄に対して亜鉛メッキが高い防錆効果を発揮する理由は、亜鉛が鉄よりもイオン化傾向が高い金属であるためです。メッキが金属に対して防錆効果を発揮する仕組みとして、このイオン化傾向が非常に重要になります。イオン化傾向とは、簡潔に述べると金属の溶けやすさを表す指標のことです。つまり、亜鉛のほうが鉄よりもイオン化傾向が高いということは、鉄と比較して亜鉛のほうが溶けやすい(金属イオンになりやすい)ということになります。
亜鉛のほうが鉄よりも溶けやすいため、仮に鉄に亜鉛メッキを施した製品に傷がついたとしても、表出した鉄を溶けだした亜鉛がすぐに覆うことによって保護することができます。これが亜鉛メッキによる鉄の防錆であり、「犠牲防食」と呼ばれます。