鉄の溶接について詳しく解説!
目次
- 溶接とは
- 代表的な溶接の種類
- 鉄の溶接の特徴
- 鉄の溶接の対応板厚
溶接とは
溶接とは鉄などの金属同士をつなぐ加工法であり、板金製品の加工において最も重要な加工法のうちの1つです。
一言に溶接と言ってもその種類は様々であり、それぞれに強度や外観などの特徴があります。また、溶接法ごとに得意とする材質・不得意とする材質があり、さらには母材の板厚などの条件もしっかりとした溶接ができるかに関わってきます。そのため、溶接加工をする際は溶接に関する知識が非常に重要になります。
溶接は主に鉄・ステンレス・アルミなどの材質に用いられますが、それぞれの金属ごとに特徴があります。ここでは鉄を溶接する際の特徴及び注意点などについて説明します。
代表的な溶接の種類
一口に溶接といってもいくつかの種類があります。
代表的なものには以下のような種類があります。
溶接法 | 説明 |
---|---|
アーク溶接 | 別名を手溶接といい、溶接棒を使って、接着部分に電流を流すことでアーク熱という熱を発生させることで金属を溶融し、接着する方法。室外でも可能なので、建築現場ではよく用いられる。TIG溶接やMAG溶接、ガス溶接はこの一種。 |
MAG溶接 / マグ溶接 | 別名を半自動溶接といい、溶接棒ではなくコイル状に巻かれた針金状の溶接ワイヤを電極として使用する方法。 |
TIG溶接 / ティグ溶接 | タングステン棒を電極に使用し、不活性ガス内で母材を溶融して行う手法。溶接部が緻密になるため、水密性・気密性が高い。 |
ガス溶接 | 可燃性ガスを燃焼させることによって行う。機材の取り扱いに危険を伴い、免許が必要。加工に時間がかかるが、不良がおきにくく、薄板の溶接も可能。 |
スタッド溶接 | 溶接棒などは使わず、スタッド材と母材に電流を流し、釘打ちのガンのような器具を使用し行う溶接。 釘打ちのガンのような器具を使用して行うもので、溶接棒を使わず、スタッド材と母材に電流を流すことで溶接する。 |
スポット溶接 | 溶接部分の上下から電極を当てて、大きな電流を流すことで熱を生じさせ、母材を溶融してくっつける。点で溶接することからその名で呼ばれる。 |
ナット溶接 | 溶接によってナット(溶接ナットやウェルドナットと呼ぶ)を取り付ける手法で、溶接後の取り外しが可能。 |
レーザー溶接 | レーザー光を熱源とする方法。外観が綺麗に仕上がるため、高品質な溶接が必要な製品に用いられることが多い。 |
抵抗溶接 | 重ね合わせた母材に電極を通して電流を流し、生じた抵抗熱によって母材を溶融、溶着させる溶接法。スポット溶接も含まれ、そのほかにシーム溶接とプロジェクション溶接がある。 重ね合わせた母材に電流を流し、抵抗熱を生じさせることで母材を溶融し、溶着させる。スポット溶接やシーム溶接、プロジェクション溶接はこれの一種である。 |
鉄の溶接の特徴
主に鉄の溶接で用いられる溶接法が、TIG溶接・炭酸ガスアーク溶接・MAG溶接のアーク溶接になります。
TIG溶接はシールドガスとしてアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスを用いるため、鉄を含めステンレスやアルミなどの多くの金属を溶接することができます。ただし、TIG溶接は電流が強くなく、手作業になるので溶接速度が速くありません。さらに、厚板の鉄の溶接も難しくなります。
鉄の厚板の溶接には、主にMAG溶接が用いられます。MAG溶接はシールドガスに炭酸ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いる溶接法です。電流が大きくても小さくてもアークが安定するため、鉄の厚板から薄板まで溶接することが可能です。
炭酸ガスアーク溶接はアルミなどの非鉄金属は溶接できませんが、鉄の中でも主に中厚板の溶接には用いられる溶接法です。炭酸ガスアーク溶接の長所として、TIG溶接などとは違い、半自動溶接である点があげられます。半自動溶接とは、溶接ワイヤの供給が自動で行われる溶接です。一般的な溶接では、片手でトーチを持って接合部に当てながら、逆側の手で溶接棒を溶接部に溶かし入れる必要があるのですが、半自動溶接ではこの溶接器が溶接棒(ワイヤ)を自動で投入してくれるため、溶接スピードが早く、楽になります。加えて、炭酸ガスアーク溶接で用いられている炭酸ガスは、TIG溶接などで用いられる不活性ガスよりも安価であり、そのため溶接自体も比較的安価に行うことができます。
レーザー溶接は薄板の鉄に用いることが多いです。レーザー溶接はアーク溶接に比べて鉄への入熱量が少ないため、溶接による熱ひずみの発生などの溶接不良が生じにくくなります。
鉄の溶接の対応板厚
鉄は材料費が安いことから様々な材料として用いられている金属です。鉄の薄板から厚板まで、鉄材質の特徴に合わせた溶接法にて溶接を承っております。
弊社では鉄の溶接は基本的に薄板から厚板まで、板厚に問わず対応しております。