アルミの表面仕上げ(研磨加工)の基礎知識
目次
- 軽いのに強い!アルミ二ウム
- 粒子で削る研磨加工
- 全てのアルミが研磨できるわけではない!
- アルミに適した研磨材
これだけは知っておくべきアルミの表面仕上げのポイント!
・アルミは実は表面が硬い金属!
・アルミの研磨として一番用いられるのはバフ研磨による鏡面仕上げ
軽いのに強い!アルミ二ウム
アルミとは、アルミニウムを主成分とした合金です。アルミの種類によって、銅が添加されたり、マグネシウム、そして亜鉛などが添加されます。非鉄金属の中では最も利用されている材質です。身近なアルミ製品はアルミ缶や1円玉などに使われています。
アルミの最大の特徴、それは「軽さ」です。同じ体積の鉄と比較した場合、その重さは鉄の約1/3と言われています。これはアルミが、航空機の軽量化を目的に研究開発が進められ、工業製品として利用されるようになったからです。
その軽さから航空機だけでなく新幹線の車体にも使われています。
他にもアルミは、加工性・耐食性・熱伝導性・防食性に優れており、なおかつ強いという特徴があります。特に防食性は、ステンレスによく言われる「錆びに対する強さ」を表す特徴ですが、アルミも実は酸素と反応して酸化被膜を形成するため、錆びにくく、また表面が硬いという特徴をもたらします。
粒子で削る研磨加工
研磨に近い身近な例は、図工の授業などで使う紙やすりを用いた方法です。研磨ではこの紙やすりではなく、砥粒とウェイトの間に工作物を置くことで、砥粒が小さな刃の役割を果たし表面を削りながら磨いていきます。
加工後の凹凸のある表面を整えたり、装飾用として鏡のように磨いたりと、砥粒の粗さによって仕上げりを変えることができます。
全てのアルミが研磨できるわけではない!
アルミには純アルミ二ウムと呼ばれるアルミニウムの割合の高いものと、それ以外のアルミ合金の大きく2種類があります。全社の純アルミ二ウムは加工性が良い一方で熱の影響を受けやすいため、寸法精度の求められる機械研磨には対応できないことが多く、アルミで機械研磨加工するのは、後者のアルミ合金がほとんどです。
また最近ではアルミ自体の加工を切削加工を用いて行ことが多く、ある程度の表面の粗さであれば研磨をしない場合も多いです。
そのためアルミの研磨で一番多いのは装飾要素として使われる鏡面仕上げが多く、そのためバフ加工と呼ばれる綿やフェルトを用いた研磨方法で行われます。
アルミに適した研磨材
アルミの研磨材として使用される砥粒は「C砥粒」と呼ばれる黒色炭化ケイ素です。これは他の砥粒に比べ硬く、アルミの表面にできる酸化被膜の硬化性にも負けません。また破砕性が高い、つまり良く割れ、また切れ味の良い砥粒であるため、一般的な研磨を行う場合は、このC砥粒が利用されます。