樹脂の塗装の基礎知識
目次
- 樹脂はどうやって加工されるのか
- 樹脂の塗装は高温ではできない
これだけは知っておくべき樹脂の塗装のポイント!
・樹脂の射出成形は塗装の前に研磨が必要
・樹脂の塗装は樹脂塗装で行う
樹脂はどうやって加工されるのか
樹脂製品は金属のように、曲げたり削ったりはしません。ここではまず塗装の前に樹脂がどのように加工されているのかをご紹介します。
- 射出成形
溶かした母材を金型に流し込み、冷やし固める方法で、大量生産に向いています。
→金型の合わさりが悪く、金型と金型の間にパーティングラインと呼ばれる線状の出っ張りが形成されることがあります。そのためこの成形方法では塗装の前に研磨処理する必要があります。
- 押し出し成形
押し出し機と呼ばれる機械を使用し、丸や四角形の穴が開いた金型に溶かした母材を流し込み、押し出しながら冷やし固めることで成形する方法です。押し出す口の形を変えるだけで変形可能なため、連続的な加工が可能です。
- 圧縮成形
金型の中に樹脂を置き、そのあと加熱、圧縮していくことで成形していく方法です。合成樹脂の中でも熱硬化性樹脂の場合に浴用いられる方法です。
樹脂の塗装は高温ではできない
金属製品の塗装の場合、多くは「焼付塗装」という、塗料に熱をかけて硬化させる方法を用います。一般的にこの焼付塗装を行うには100℃以上に加熱し行わなければなりません。そのため、この加熱に耐えられる母材でなければ塗装ができないことになります。
一方樹脂に対して多く行われるのは「樹脂塗装」です。これは主に常温から80℃ほどの温度で行うことができる、2駅硬化型ウレタン塗装のことを指します。
室温の自然乾燥で硬化し、樹脂の分子がウレタンの影響で硬く結びつくため、密着性が良い塗装となります。