樹脂の溶着の基礎知識
目次
- 溶着と樹脂溶着は同じこと?
- 溶着の方法は大きく4種類
これだけは知っておくべき樹脂の溶着のポイント
・溶着は結合点が見えないからキレイ!
・溶着はほぼ樹脂のみに行われる接合方法
溶着と樹脂溶着は同じこと?
溶着を行うほとんどが樹脂を用いて行われるため、一般的に溶着は樹脂溶着とも言い、その名の通り樹脂を溶着する加工方法です。これは熱可塑性という加熱すると軟化し、冷やすと硬くなるという性質を持つ樹脂を使用して行われます。この樹脂を融点を超えるまで加熱して軟化させ、分子レベルで結合することで、結合点が見えないのが特徴です。
溶着の方法は大きく4種類
溶着には超音波溶着・レーザー溶着・熱溶着・溶着剤の4種類があります。以下ではそれぞれの溶着方法についてご紹介します!
超音波溶着(振動溶着)
まず接合したい状態に組み立て、一方の側から超音波を流しもう一方の部品に対しても超音波を伝えていきます。これにより別々の2つの部品が摩擦熱を起こし、それぞれ溶融していき、接合します。
しかし超音波溶着の難点は、フラットな面同士で行うと溶けだし部分が異なり、不均一で不安定な溶着になってしまうことです。これを解決するためには溶着面を「ジョイントデザイン」に設計する必要があります。これは表面に無数の突起が出ている形状で、これにより熱が突起部分に集まりやすく、溶融が均一になります。
溶着種類の中で最も汎用性の高い溶着方法です。
レーザー溶着
この溶着はレーザー光の熱を照射して熱を発生させることで工作物を溶融し、接合する方法です。接合する工作物の一方にレーザー光を照射し(これを透過材と呼ぶ)、もう一方はこれを通して熱を吸収します(これを吸収材と呼ぶ)。
局所的に行うことができるので、工作物自体へのダメージは少ないですが、レーザー光を受ける透過材には光を透過する性質を使用しなければなりません。
熱溶着
これは接合したい工作物2つに加え、熱した鉄板を接合材として用いる方法です。
接合材として用いる鉄板は冷えれば完全に固まってしまうため気密性が高く、小さいものはもちろん、治具を用いれば大きいものを溶着可能です。
しかし鉄板のバリ(不要な突起物)や、糸ひきが起きてしまうためその対応が必要になります。
接合剤
身近な例を用いるならば、ボンドでものをくっつけるのに近い工法です。工作物の接合部の表面に接着剤を付けることで、同種材料・異種材料問わず接合可能ですが、硬化時間が必要であり、かつ気密性を得るのには工夫が必要です。