フレームとは何?主な種類や特徴について紹介!
フレームには、様々な用途があります。フレームを溶接工程で工夫することにより、大幅なコストダウンを可能にすることができます。今回は、フレームの種類や特徴、そして、コストダウンに繋がる溶接加工について詳しく説明していきます。
目次
- 溶接加工でコストダウンを可能にする「フレーム」とは
- 設計や溶接加工の方法が異なるフレームの用途と種類
- コストダウンできるフレームの特徴
- フレームの工程の中で溶接加工は重要な作業のひとつ
これだけは知っておきたいフレームのポイント!
- 溶接するフレームの設計でコストダウンが可能に!
- フレームの種類は4種類あり、用途によって設計・溶接加工が異なる
- 継手と溶接箇所の工夫が大事に!
溶接加工でコストダウンを可能にする「フレーム」とは
フレームとは、機械や設備を組み立てる際に使用される材料のことで、機械を造り上げる作業の中で使用されることが多い製品です。フレームの設計は、溶接加工においてコストダウンさせることが可能な加工方法の為、溶接加工に関わる知識を必要とします。
設計や溶接加工の方法が異なるフレームの用途と種類
フレームには、「機械装置用」・「検査装置用」・「搬送用架台」・「機上歩行用」の4種類あります。用途によって、設計・溶接加工が異なります。
◼️フレームの用途と目的
機械装置用フレーム | 機械装置のカバーとして取付けるフレーム |
検査装置用フレーム | 工事現場などの足場に使用されるフレーム |
搬送用架台フレーム | 搬送用の架台として使用されるフレーム |
機上歩行用フレーム | 工事現場の歩く場所として使用されるフレーム |
ではそれぞれの種類について、より詳しくみていきましょう。
アングル材で構築される機械装置用フレーム
機械装置用フレームとは、機械の装置のカバーとして使用されるフレームのことです。基本的な材料は、アングル材で構築されます。機械装置用フレームには、取り付けるための穴やねじを取り付ける穴の加工を行うタップ加工が施されているものが多く、穴と穴との距離の間隔や位置が正確に施されています。
工事現場の足場に用いられる検査装置用フレーム
検査装置用フレームとは、工事現場などの足場として使用される材料と、溝形鋼と呼ばれるコの字の形をした鉄骨部材のチャネル鋼で構成されたフレームのことで、別名「エキスパンドメタル」とも呼ばれています。工事が行われる場所で足場などで使用されることが多いフレームです。
収納のしやすさが特徴の搬送用架台フレーム
搬送用架台のフレームは、幅が長い特徴があり、収納がしやすいように中央部分が折れやすい加工になっています。また、座面や平面だしが難しい設計になっているフレームのひとつでもあります。溶接した箇所と架台のフレームが対称になるように工夫されている製品でもあります。
工事現場の通路として使用される機上歩行用架台フレーム
機上歩行用架台は、機械の装置の機上歩行用に用いられる架台フレームです。工事現場などで作業をする人が移動しやすいように通路として使用される架台フレームでもあります。機上歩行用架台フレームは、強度を保つためボルト止めが施されています。また、素手で触っても安全性を保つため、溶接跡が除去されるなど、安全面に考慮されています。
コストダウンできるフレームの特徴
フレームのコストは設計の時点で7割〜8割が決まると言われています。しかし、フレームのコストは、使用する材料の大きさでも価格の差が生まれることがあります。そのため、どんな設計がコストパフォーマンスが良いのか、どんな材料を使用したらコストダウンに繋がるのか、設計の知識だけでなく溶接加工や材料に対する知識も必要になります。では、フレームをコストダウンさせる特徴について詳しくみていきましょう。
溶接加工に秘密あり
フレームの加工には、溶接加工があります。これは、フレームの部材をつなぎ合わせる目的があります。この溶接加工には、継手の方法や溶接を行う箇所など方法が様々あります。その方法を選択するかによって、作業工程も多くなり、使用する材料も増えてきます。そのため、フレームを設計する際は、強度や安全面だけでなく、どの方法を使用するかも工夫するようにしましょう。
フレームは継手に工夫を
フレームには、溶接の加工を行う上で継手という母材を継なぎ合わせる工程があります。フレームのコストダウンをはかるには、この継手の加工を工夫することでも可能になります。フレームに必要な継手の形状は、「突合せ継手」・「すみ肉継手」・「プラグ継手」・「重ね継手」・「角継手」があります。どの継手をフレームに採用するかによって、フレーム自体の強度だけでなくこずとダウンへも繋げることができます。
フレームは溶接箇所が大事
フレームには、下記の左図のように部材の中に配線や排水を行うための空洞を必要としない設計でも、12個の部材を必要をします。この12個の部材にはそれぞれ角度切りが活用される場合があります。コストを削減するためには、下記右図のようにフラットバーを活用することも可能です。フラットバーにすることで、溶接する工程を削減することができるためです。
◼️12個の部材を使用した場合 ◼️フラットバーを使用した場合
溶接歪みを発生させない
フレームは、溶接加工を施すことで歪みが発生する場合があります。長くなればなるほどその可能性は大きくなります。溶接の加工で歪みを大きくなった場合は、「歪み取り」という工程に時間と手間を要します。歪みの状況によっては、人手も必要となるケースもあるので、コストが増大する要因にもなります。そのため、設計の段階で歪みの可能性を低くするためにも、溶接箇所を少なくすることでコストダウンを可能にします。
参考:設計者のためのフレームの製缶板金加工(溶接加工)における基礎知識
フレームの工程の中で溶接加工は重要な作業のひとつ
フレームは、用途によって種類が様々あります。そんなフレームの設計の仕方によっては、組立の際にコストダウンが可能になります。また、フレームを組立を行う時に重要となるのは、溶接加工の方法です。溶接加工で歪みなどが発生すると、無駄なコストがかかる可能性があるので注意が必要です。
キャディ株式会社では、フレームについても実績があります。