ダクトやホッパーって何?特徴や種類を紹介!
ダクトやホッパーといった言葉はビルなどでよく名前は聞くことがありますが、そもそもどういったものなのでしょうか?
今回の記事ではダクトやホッパーとはどんなものなのか?使用用途に応じてどのような種類があるのかを詳しく解説していきます。
目次
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ダクトとは空気を運ぶための管のこと
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ダクトは大きく分けて2つの種類が存在する
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角ダクトの種類
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丸ダクトの種類
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ダクトは様々な場所で使用できるように多くの素材が使われている
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ダクトの用途は身近にあるもの!
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ダクトの製作事例
ダクトとは空気の運ぶための管のこと
ダクトとは、空気を運ぶための管のことを言います。様々なビルの天井を見てもらえればわかりますが、様々な形をした管が通っています。
一般家庭でもエアコンを使用する際にエアコンと室外機が繋がっていないと冷房や暖房が全く機能しません。
その際に繋げる管もダクトと呼びます。
ダクトは大きく分けて2つの種類が存在する
ダクトには主に「丸ダクト」と「角ダクト」の2種類の形状があり、それぞれでメリットデメリットが存在します。
- 丸ダクト
様々なメーカーから既製品が出ているので、簡単に入手・施工が行えます。しかし入手が簡単な半面、細かな調節ができないので工事の施工には相応の専門知識が必要となります。
- 角ダクト
丸ダクトと違い既製品がなく、ほぼすべてオーダーメイドで注文しなければいけません。しかしオーダーメイドだからこそニーズに応じて柔軟に対応することができます。
扱いには専門的な知識が必要になりますが、現場では施工図面さえ準備ができれいるのであれば丸ダクトと比べて圧倒的に早く作業を進めることができます。
角ダクトの種類
- 直管
一般的な真っ直ぐな角ダクトです。
- エルボ
「肘打ち」をイメージすると解りやすいですが、曲がったダクトです。
一般的に90度で施工されることが多いですが、オーダーによっては好きな角度で製作することが可能です。
- ホッパー
入り口と出口のサイズが異なるダクト。
- Sカーブ
名前の通りS字型に湾曲したダクト。
施工で上下左右にずらす場合に使用されることが多い。
- 分岐管
接続口が3つ以上あるダクト、分岐や集合に用いられることが多いです。
丸ダクトの種類
- 直管
一般的な真っ直ぐな角ダクトです。
- エルボ
角ダクトと同様に曲がったダクトです。
角ダクトと異なる点は90度だけではなく45度が一般的に流通している。
角ダクトと同様にオーダーメイドすることでこの2種類の角度以外でも製作することが可能です。
- レジューサー
角ダクトで言うホッパーの役割をする入り口と出口のサイズが異なるダクト
- カラー
ダクトは「角ダクトのみ」や「丸ダクトのみ」という使い方はせず、設置場所や使用方法に応じて角ダクトと丸ダクトを組み合わせて使用します。
その際にカラーは角ダクトと丸ダクトをつなぎ合わせる役目をします。
- ニップル
丸ダクト同士をつなぎ合わせる継手の役割を果たします。
差し込み型のニップルが一般的です。
- 分岐管
分岐する角度によって呼び方が違いますがアルファベットのTの形状をした「T管」、Yの形状をした「Y管」、カタカナのトの形状をした「ト管」など呼び方は様々です。
ダクトは様々な場所で使用できるように多くの素材が使われている
- 亜鉛メッキ鉄板
亜鉛は空気中の酸素と化学反応を起こし表面に酸化皮膜を作ります。
この酸化皮膜は空気や水を通しにくい性質をしており、それ以外にも錆びや傷が発生しても耐久性があるので広く一般的に使用されている材質です。
- ガルバリウム銅板
ガルバリウム銅板は、アルミニウム、亜鉛、シリコンを組み合わせることが生成できる、アルミ亜鉛合金メッキ銅板です。
亜鉛メッキに併せてアルミニウムの耐熱性と熱反射性が備わりさらに耐久性が強いダクトを作ることができます。
主に室内ではなく室外やキッチンなど耐熱性が要求される場所に使用されます。
- ステンレス
ステンレス製のダクトは今まで紹介してきた素材と比べて、耐食性、耐熱性、耐候性に優れています。
そのため、病院や屋外など腐食しやすい場所によく設置されています。
他の素材と比べても長期的に使用することができ、さらに最低限のメンテナンスをするだけで問題はありません。
しかし亜鉛メッキ鉄板やガルバリウム銅板と比べて素材の価格が高いため、加工費用等がかさんでしまいなかなか使用することができないのが現状です。
- スーパーダイマ
新日鉄住金が開発した、高耐食性メッキ銅板です。
亜鉛を主に、アルミニウムやマグネシウム、シリコンを混合させ錆びにくさに磨きをかけたメッキになっています。
さらにステンレスと比べてコストダウンさせることができるので、ステンレスの代替品としても期待されている素材です。
- アルシート
この素材も新日鉄住金が開発された銅板です。
アルミニウムシリコン合金をメッキ加工することで、高い耐熱性を確保し、アルミニウムならではの表面のツヤを実現することができます。
ダクトだけではなく、屋内では給湯器、炊飯器に使用されることもあり、屋外では自動車など広く使用されている素材になっています。
- 塩ビ被覆鋼板
塩ビ被覆鋼板は、ポリ塩化ビニール樹脂を鋼板にコーティングすることによって、高い腐食耐性を誇っています。
また、薬品やガスなどにも強いため、海岸や温泉地、薬品工場など一般家庭だけでなく、さまざまな場所で使用されています。
ダクトの用途は身近にあるもの!
- 空調
空調設備(エアコン等)から繋げるダクトのことを指します。
空調ダクトには大まかに2種類あり、空調設備から室内に空気を送るダクトを給気(SA)ダクト、室内から空調設備に空気を戻すダクトを還気(RA)ダクトと呼びます。
現在はほぼ全ての施設や建物に設置されており、ビルによっては空調ダクトだけで数百メートル~数キロメートルという規模で設置されています。
- 換気
現代の家やビルは閉め切っていると空気が循環せず、その場で滞ってしまいます。
人が密集している会社などで空気が滞ってしまうと二酸化炭素が充満し、二酸化炭素中毒に陥る、最悪の場合死に至ることすらあります。
その空気を入れ替えるために使用するのが換気専用のダクトになります。
室内の換気はもちろんですが、調理場や喫煙所などで発生する煙や匂いの排出にも使われます。
家庭だとキッチン、レンジフードダクトや浴室、トイレといった場所に換気扇がついています。
- 排煙
排煙専用のダクトがあり、主に火災が発生した際に必要なものになります。
上記で紹介した2つのダクトより圧力が高くなっており、室内との圧力の差によってダクトを解放するとダクトの方へ空気が一気に送り込むことができるので火災で発生した煙を素早く排出することができます。
- 外気
外気はOA呼ばれる、外の空気を室内に取り入れるためのダクトです。
ダクトが外に面しているので、雨や湿気などの影響を受けやすくカビが繁殖したり錆びやすくなってしまったりと汚れやすくなっています。
そのほかにも、虫などの生物も取り込んでしまう恐れもあるため、金網などで入り込まないようにする必要があります。
こうしたことから、こまめなメンテナンスが必要となっています。
まとめ
ここまでにダクトが主にどのような使われ方をしているのか、そのダクトにはどのような種類があるのかということをご説明してきました。ダクトは室内の空気を入れ替える役割を持っており、人間の生活には切っても切れない存在になっています。
そんなダクトの中にも、丸ダクトや角ダクト、真っ直ぐなものからカーブを描いているものまで、様々な種類があります。
それらを組み合わせることによって、どんな場所でも設置することができるので、いかに効率良くできるかということが重要です。